北仙台の子供から大人までが集うカフェ「くさかんむり」に行ってきました!
暑さが落ち着いて、秋めいてきましたね。
川沿いを歩いていると「そろそろ芋煮の計画も立てなきゃなあ」なんて気持ちになってきます。
今回は、7月に石巻から北仙台に移転オープンした「くさかんむり」を訪れました。
お店には物語のようなコンセプトがあるのをご存知でしたか?
店主さんには、コンセプトについてもお話を伺ってみました!
さっそくご紹介していきます〜!
仙台市地下鉄南北線または仙山線「北仙台駅」から徒歩4分。ベーカリー&カフェ「Imagine(イマジネ)」がある裏道を通り沿いに歩きます。鹿島神社を通り過ぎ、光明禅寺の道路を挟んで向かい側の建物1階。
以前は「紫山のごはん会 分室」として「量り売りマルシェ」や料理教室が開催されていた場所です。
ペンダントライトの灯りが柔らかく店内を包み込み、アンティーク家具や古道具で整えられた大人な雰囲気。
席数は16席で、2名席とカウンターが中心です。予約はできないようなので、2名以上で利用する際は開店直後やピークタイムを外して伺うのがオススメですよ〜!
とある夫婦が営む飲食店の世界……?
くさかんむりには、石巻と北仙台それぞれの店舗で物語の一説のようなコンセプトが存在することをご存知でしたか?
石巻の店舗は「国籍不明な老夫婦のニホンでのスローライフ」。
北仙台の店舗は、「その若かりし頃に営んでいたであろうお店。ヨーロッパの何処か小さな街にあった古い教会の建物を利用した飲食店」という夫婦の人生の時間軸を巻き戻した設定になっています。
「どんな夫婦かな」「この街の次に日本に来た理由はなんだろう」と夫婦の人生や、お店を訪れる人の生活を妄想していると、読書やスマホ時間とは別の新しいカフェタイムの過ごし方に出会うことができますよ。
人気のランチメニューをいただきます!
ランチは旬の食材を使用しながら、メニューの内容が変化するようです。
Aセット(前菜3種、メイン料理、パンorライス)、Bセット(サンドイッチ、付け合わせ)、Cセット(カレー、ライス)の3種類になっています。ランチメニュー以外にも、前菜のみ、ポテトフライなどのサイドメニューもあるので、デザートやお酒と組み合わせて、さまざまなスタイルで楽しめますよ〜!
今回は「Aセット」をメインに、「キャロットケーキ」と「自家製ハーブティー Green」をいただきました!
この日の前菜はラタトゥイユ、キャロットラペ、梨のサラダ。
メイン料理がくるまで前菜とワインで一杯……なんて過ごし方も憧れます。
ジュワッとトマトの旨味広がるラタトゥイユに、ビネガーの酸味が効いたシャキシャキ食感のキャロットラペ。
長期間の夏の暑さで疲れが残る体に嬉しい食材の組み合わせです。
梨のサラダは、カプレーゼのようにチーズとオイルで和えたもの。夏から秋へ、旬を感じられる盛り合わせでした〜!
メイン料理は豪快にスペアリブ!
お箸で簡単に切れるくらいにホロホロに煮込まれたスペアリブは、大河原の「もち豚」を使用しています。脂はあまく、身はジューシーで旨みたっぷり!
これはご飯が進んじゃう! と口に運んだご飯は石巻市桃生町「LIFE TIME(ライフタイム)」が育てた無農薬「ササシグレ」。さっぱりとした歯触りなのに甘みがしっかり感じられて箸が止まらなくなっちゃいました。
デザートはドリンクとのペアリングも楽しんで
くさかんむりの「キャロットケーキ」をSNSで見かけたことがある方も多いことでしょう。人参の葉をイメージしたパセリがトッピングされた見た目はインパクト抜群……!
「SNS映え」という言葉が生まれる前から、この見た目で提供されてきたそうです。
しっとりとしたキャロットケーキはスパイシーで甘さ控えめ。クルミやアイシングで食感に変化をつけながら、黙々と食べ進めてしまいました。
一緒にいただいた「自家製ハーブティー Green」は、キャロットケーキとのペアリングでオススメのドリンク。桃生茶をベースに、和ハッカやレモンマートル、オレンジピールなどがブレンドされた爽やかなのに深みのある飲み口です。
大きなマグカップで提供されるのでたっぷり味わえました〜!
店主・ひらまさんへインタビュー
今年10月には10周年を迎えるくさかんむり。店主のひらまさんにメニューのこだわりや、現在の店舗での取り組みについて伺いました。
ー お店を始めたきっかけをお伺いできますか?
くさかんむりを始める以前は、仙台市内で雑貨店を営んでいましたが「老後にカフェをやりたい」という夢は昔からありました。以前のお店は、昔から生活圏で「高い塀に囲まれた中が見えないお屋敷」だったんですが、東日本大震災の際に塀が崩れ、そこで初めて全貌を知ったんです。森のような庭があって素敵だと思いました。老後の夢を前倒しにしてスタートしたのが「くさかんむり」です。
ー お店のコンセプトを聞いて、すごく細かいところまで設定を組んでいるんだなと思いました。それぞれの店舗で変化している部分はあるのでしょうか?
もちろん、ありますよ。
石巻での「国籍不明な老夫婦のニホンでのスローライフ」は、古民家での暮らしの中にハーブやスパイスを使ったメニューで異国感を出していました。それから、おばあちゃんっていろいろとお世話をしたがるというか”付け足したがり”な部分があると思っていて(笑)。
店内の各テーブルにお花を置いたり、盛りすぎでは!? と思うくらいオーバーな盛り付けにしてみたりしていました。
移転後は、夫婦の若かりし頃に営んでいたお店という設定です。なので前回よりもインテリアや盛り付けをシンプルに、削る意識をしています。
新しいコンセプトは、「その若かりし頃に営んでいたであろうお店。ヨーロッパの何処か小さな街にあった古い教会の建物を利用した飲食店」。
彼らはきっと、ヨーロッパにいながらもニホンのことが気になっていたと思うんです。だからニホンらしいアイテムも店内には置いてあるんですよ。お店に来た方が、そんな世界観に妄想を付け加えて楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、コンセプトとは違う部分ですがアルコールの提供を本格的にスタートしたことも変化した部分です。
石巻は車がないと来店いただくのが難しいエリアだったので、アルコールの提供は本当に短い期間に試したくらいでした。この場所は街外れではありますが、バスや電車、地下鉄と交通が豊かなのでお酒も問題なく楽しんでいただけるだろうと思っています。
アルコールはベルギービールやワインを提供しています。
ワインは川崎町の「Fattoria AL FIORE(ファットリア・アル・フィオーレ)」で、個人的にファンだったのでワインを提供するならFattoria AL FIOREだと思っていました。ランチメニューやデザートもワインに合うようにイメージを膨らませながら作っているのでお酒とのペアリングもお楽しみいただけます。
ー お食事やカフェタイムとしての利用はもちろんですが、お酒好きとしてお昼から本格的なお酒とお料理を手軽に楽しめるのは魅力的だなと思いました!
お料理のこだわりを教えていただけますか?
「生産者さんの顔が見えるもの」をなるべく使うように意識をしています。
季節や環境によっても変化していきますが、根本的な部分は変えずにいます。
特に、地元の桃生町のものは積極的に取り入れていて、お米を仕入れている「LIFE TIME(ライフタイム)」は営業を始めた頃からずっとお世話になっていますし、桃生茶は「kitaha(キタハ)」や、くさかんむりオリジナルハーブティーなどで扱っています。
ー SNSを拝見し、子供向けの料理教室が始まると知りました。こちらの詳細をお伺いできますか?
「親と子の暮らしの提案室」という名前で、習い事の場をスタートさせます。今までもイベント的に開催をしていたものですが、今回1期生を募集し10月から開講するところです。
ー 以前から構想があったのでしょうか?
自分自身が出産を経験して考え方に変化が生まれたことがきっかけです。
子どもを迎えに行くと、お友達が挨拶をしてくれたり、今日あったことをお話ししてくれたりするんです。かわいいのはもちろんなんですが、子どもを介した交流を通して「未来の世代に何かを残したい」と考えるようになりました。
「料理教室」が説明する上でわかりやすいですが、単に料理が上手くなるために通う習い事ではなく、料理や一緒のクラスになるお友達たちとの交流を通して、自己判断力や生きる力を身につける場所になってほしいと思って立ち上げました。また、例えばお家や学校で嫌なことがあったときに逃げ場になったり、居場所になるような存在になっていきたいなと思っています。
ー ありがとうございます。大人から子どもまで憩う場所になりそうですね!
今後の展開も楽しみにしています!
店舗情報
くさかんむり
〒981-0915 仙台市青葉区通町2丁目16-24 コクラス北仙台1階
営業時間:月曜、木曜、日曜:11:30〜18:00
金曜:11:30〜15:00/18:00〜21:00
土曜:11:30〜21:00
定休日:火曜日、水曜日
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