ヴィーガンスイーツに舌鼓!「hauskaa(ハウスカ)」に行ってきました!
新生活が少し落ち着き、新緑が心地よい仙台の街歩きを楽しむ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、大手町にオープンしたバターや卵、牛乳などの動物性食材を使わないヴィーガンスイーツのお店「hauskaa(ハウスカ)」を訪ねました。さっそくご紹介いたします!
アクセス
仙台市地下鉄東西線 大町西公園駅から徒歩5分。近所には、「森の香本舗」やギャラリー「ターンアラウンド」があります。
大きな窓と、鉄扉を構えた黒を基調とした外観。駐車場は店舗前の2台ですが、街中に近いので自転車や徒歩で来店される方も多いようです。
足を運んだ人のみが体験できる異国のような空間
窓から覗く店内が、外国の物語のお菓子屋さんのような雰囲気でドキドキ……!
hauskaaは、外観と看板、お手元のお菓子以外の撮影を禁止しています。
今回は特別に許可をいただき、訪れた人だけが知る店内の雰囲気を写真でもお伝えいたしますね。
こだわりのスイーツとアンティークが並ぶ店内
アンティークの什器とたくさんのお花に囲まれたカウンター。イートイン限定の生菓子のほか、ショートブレッドやガレット、ゼリーなどの商品が並びます。
どの商品も見た目から可愛らしくてうっとり……!
イートインスペースは5席。大人数でワイワイというよりも1人または2人で利用するのに適しているでしょう。お1人で足を運ぶ男性の方もいらっしゃるのだとか。
カウンター側は白い什器や小物、お花やスイーツが並び可愛らしい雰囲気ですが、客席側は打ちっぱなしの壁やアイアンのシェードなどクールなしつらえで、甘すぎず大人な雰囲気の店内。
多くのファンを魅了し続けるスイーツをいただきます!
2022年1月にオープンしたばかりのhauskaaですが、以前は中山に工房を構えイベント出店や工房でのお渡しで販売を行っていました。
工房ではなかなか難しかったという生菓子の提供が可能となり、お店に訪れた方の多くが一度に2種類程度注文するようです。
私も、イートイン限定の「レアチーズケーキ」と、季節ごとにフレーバーが変わる「テリーヌ」をいただきました!
しっかりした質量を感じながらも、滑らかにナイフが入るテリーヌ。菅原さん曰く、15種類以上の食材を組み合わせ追求に追求を重ねているそう。
一口食べた率直な感想は「濃い……!」。ねっとりとした舌触りと、鼻に抜けるほうじ茶の香り。単純にほうじ茶が濃いのではなく、生地自体のコクや滑らかさを感じます。
レアチーズケーキは注文後、表面をパリッとキャラメリゼしてから提供していただけます。
レアチーズケーキといえば、名前の通りクリームチーズをメインに、生クリームや時にはヨーグルトなど乳製品が主役のケーキです。乳製品を一切使わず、なぜこんなにクリーミーなコクを感じるのか……不思議でたまりません。
頭の中では「乳製品は使っていない」とわかりながらも、レアチーズケーキ「風」ではなく普段から食べているレアチーズケーキと区別がつかないのです……!
なぜ? どうして? と考えを巡らせている間にあっという間に完食してしまいました。
お皿に添えられたクリームも、レモンの風味が爽やかでしっとりとした舌触り。お尋ねすると、このクリームだけでも複数の油を使用しているこだわりっぷり。
コーヒーは軽井沢の「珈琲calima(カリマ)」のもの。深煎りながら、スッキリとした飲み口。特にテリーヌと合わせると華やかな香りを楽しむことができます。
人気のスコーンと、自家製酵母のワッフル
ワッフルに使用している自家製酵母は、hauskaaが11年間種継ぎをして育てているもの。表面はさっくり、中はふわふわのワッフルで、軽くリベイクしても硬くなりにくくお腹にしっかりたまる食べ応えでした。
私が特に気に入ったのは、以前から気になっていたスコーン!
ザクッホロッ! と口の中で崩れていくけれど、噛み締めるほどに滋味深く、そして強めにお塩が効いています。この塩味が手持ちのジャムと合わせたら甘さを引き立ててより一層美味しいのでは!? と思っている間に完食。(笑)
店主・菅原さんへインタビュー
ヴィーガンスイーツに対する先入観が覆る、そんなスイーツを作る店主の菅原さんへ、店舗オープンまでの経緯を伺いました。
ーhausukaa活動当初からヴィーガンのメニューを提供していたのでしょうか?
私自身はヴィーガンではなく、元々は卵のみ不使用のお菓子を製造していました。例外も多くありますが、数あるアレルギーの中で、大人になるにつれ症状の改善が期待できる食材もあります。しかし、卵は大人になってもアレルギー症状が残りやすいと言われているためです。
どのお菓子を手にとっても卵が入っていないという安心感から足を運んでくださる方も多く、お客様の声に耳を傾けると「乳製品が苦手」という声も聞こえてきたので卵不使用のメニュー、乳製品不使用のメニューをそれぞれ作っていましたが、その後動物性不使用に挑戦するようになりました。
ーワッフルには自家製の酵母を使用しているとのことですが、そのこだわりはなんでしょうか。
自家製酵母は、もうかれこれ11年種継ぎをして育て続けています。材料にこだわってお菓子を作るようになった時、生地を膨らますために使用しているベーキングパウダーの味が気になったんです。天然酵母は発酵過程でグルテンなどを分解することで、アミノ酸(旨み)を生成すると言われています。ベーキングパウダーでは生地を膨らませることはできても、深みのある味に変えることは難しいんです。
味にこだわるならとことん追求しようと酵母を育て始めて、11年になりました。
ー以前はイベント出店等で活動されていたとのことですが、実店舗をオープンするに至った具体的なきっかけはありますか?
イベント出店の他、工房で注文品のお渡しをしていました。以前の工房は中山にあったため公共交通機関での利用がなかなか厳しく、ほとんどのお客様がお車で足を運んでくださっていたのですが、工房にお客様をお通しすることができないため窓越しでのやりとりだったんです。
暑い日も、雨の日も、ほんの少し腰をかけていただくこともできなかったので「いつかは……」と思っていました。
コロナ禍でイベントが減ったことで「いつか」が現実的になったように思います。
そして、今のお店でも什器として使用しているカウンターとの出会いでしょうか。お気に入りを見つけて、以前の工房時代に購入し、このカウンターを置ける物件を探していました。その後あれよあれよと物件と出会い、今に至ります。この物件も、飲食業不可とあったのですがお尋ねするだけでも……という気持ちで問い合わせをしたところお菓子程度ならと了承いただけたので、自然な流れという言葉がしっくりきますね。
ー店内のインテリアだけでなく、食器もアンティークでこだわりがうかがえます。
1800年代の食器などが多いかと思います。イートインご利用のお客様が多いので、足りない食器やカトラリーは北欧ビンテージや現行アイテムを使用し、アンティークは気に入ったものをコツコツ集めています。
この食器や家具が200年前のものだと考えると感慨深いですよね。
おじいちゃんおばあちゃんになっても頑張っていると思うと、刺激を受けて頑張ろう! と思えるんです。
皆さんにもそんな時間を過ごしていただけたらうれしいです。
見た目に可愛い、身体に優しいだけではなく、職人や研究者のように常に探究心を持ち、細部までを追求する菅原さんの努力が生み出した美味しさに感動の連続でした!
自分へのおやつに、大切な人へのプレゼントにぜひ一度足を運んでみてくださいね。
店舗情報
hauskaa(ハウスカ)
仙台市青葉区大手町5-37-1F
営業時間:12:00〜17:00
定休日:月曜、不定休