せんだいメディアテークってどんな場所?図書館、レンタルスペース、建築の見所を徹底リポート!
2001年に開館した「せんだいメディアテーク」。
定禅寺通でひときわ目を引く、総ガラス張りの建物です。
「図書館があるのは知っているけど、まだ使ったことは無いなあ」
「えっ、せんだいメディアテークに、レンタルできる会議室があるの?!」
実は、せんだいメディアテークは幅広い世代におすすめしたい、複合文化施設なんです!
「図書館って、読書好きだけが集まる場所なのでは?」とお思いの方も、
使ってみると案外便利で楽しいものです!ミニマリストや節約したい方もぜひ。
今回は、施設の概要から利用方法まで、ツアー形式で詳しく解説いたします!
目次
せんだいメディアテークとは
アクセス
せんだいメディアテーク
住所:〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1
TEL:022-713-3171
開館時間:9:00〜22:00
休館日:第4木曜日/年末年始
駐輪場、駐車場あり
せんだいメディアテーク 公式ウェブサイト
地下鉄南北線「勾当台公園駅」または地下鉄東西線「大町西公園駅」からのアクセスが便利!「勾当台公園」駅からは、定禅寺通のけやき並木に沿って進んだ先にせんだいメディアテークが姿を現します。
バスでの移動は仙台駅前から約10分。「メディアテーク前」下車が便利です。
仙台TRビル前の、60番乗り場から数分おきにバスが出ていますよ。
どんな場所?
建物は地下2階、地上7階。仙台市民図書館、ギャラリー、会議室、カフェ、ミュージアムショップなどが入っています。
各フロアの構成はこちらです。
7階 : スタジオ
受付相談カウンター、会議室a、会議室b、スタジオa、b、c
録音室、プロジェクトルーム、スタジオシアター、ラウンジ
6階 : ギャラリー4200
ギャラリーa、b
5階 : ギャラリー3300
ギャラリーa、b、c
3、4階 : 仙台市民図書館
一般書、新聞・雑誌バックナンバー、参考資料・郷土資料、閲覧席、マイクロリーダー、拡大読書器、資料検索端末、ロッカー
2階 : ライブラリー
新着新聞・雑誌、児童書、おはなしのへや、託児室、授乳室、会議室、映像音響ライブラリー、目や耳の不自由なかたの相談カウンター、グループ閲覧室a、b
1階 : プラザ
オープンスクエア、ショップ、カフェ
地下1階:有料駐車場、書庫
地下2階:保存書庫、収蔵庫
ギャラリーやシアター、図書館、音響・映像メディア、目や耳が不自由な方への情報提供サービスを主な機能にもつ施設です。
書籍、映像、音響、アートなどあらゆるジャンルにおける情報収集の場としてだけではなく、会議室やギャラリー、イベントスペースをレンタルし、交流や情報発信の場としても利用することができます。
選書やセレクト雑貨が素敵なミュージアムショップや、明るいうちからクラフトビールを味わえる、美味しいカフェもありますよ。
定禅寺通の景色と融合したような外観が特徴的です。
2001年のグッドデザイン賞をはじめ、多くの建築賞を受賞しています。世界中から建築マニアが足を運ぶ、有名な建築スポットでもあるんですよ。
利用方法
図書館の利用
仙台市図書館で本を予約したり貸し出しを受けるためには、利用者カードが必要です。
利用者カードは仙台市内にお住まいの方、仙台市内に通勤、通学の方、および仙台都市圏13市町村にお住まいの方に発行しています。
登録に必要なもの
1.「利用申込書」
図書館のカウンターで配布しています。ウェブサイトからダウンロードすることも可能です。
2.確認書類
(①は必須。②は住所が仙台市及び仙台都市圏13市町村以外の方)①現住所と氏名を確認できるもの
②市内通勤・通学を証明できるもの1と2を図書館のカウンターに提出すれば、利用者カードが発行されます。
施設を借りたいときは
7階 受付相談カウンターで手続きを行うことができます。また、スタジオシアター、会議室の場合は「市民利用施設予約システム」で空き状況の確認や抽選申し込み・仮予約の手続きをとることができます(事前に利用者登録が必要です)。
詳しい受付期間や手続き方法については、せんだいメディアテーク公式ウェブサイトの参考リンクをご覧ください。
■施設使用申し込み/本申し込み(全施設)
https://www.smt.jp/use/guidance/definition/
■申し込み方法
https://www.smt.jp/use/guidance/
■各施設料金表
https://www.smt.jp/use/charge/
1階 プラザ
それでは、1階から7階まで順番に施設をご案内いたします!
オープンスクエア
1階プラザのオープンスクエアは、面積約460㎡、最大収容数約300人の多目的空間です。
映画上映会、研修会、講演会、演劇など幅広い用途に使用されます。高さ6m、幅12mの大型スクリーンが備えられています。可動パネルにより、空間を閉じて使用することができます。
ショップ「KANEIRI Museum Shop 6」
正面玄関のすぐ右手にあるミュージアムショップ、「KANEIRI Museum Shop 6」。
東北6県でつくられた工芸品や、独自のセレクト書籍、文具、アクセサリーなどを販売するライフスタイルショップです。
書籍のジャンルは、アート、デザインに関する本や建築関連書籍も多く、貴重な本との出会いもあります。
「紙モノ」好きさん必見! デザイン性の高いポストカードやノートなども、種類豊富に販売されています。
カフェ「クレプスキュール・カフェ」
オープンスクエア横のカフェ「クレプスキュール・カフェ」では、常時、数十種類のベルギービールを販売しており、中には樽生で頂けるものも!
ベルギーワッフル、カレーやパスタなどランチにぴったりなフードメニューも豊富です。
2階 ライブラリー
2階には、大きく分けて雑誌・新聞、映像・音響資料、おはなしのへや、会議室があります。
雑誌
雑誌の種類はおよそ280タイトル。女性誌やライフスタイル誌など、幅広いジャンルの雑誌が取り揃えられています。※最新号の雑誌は閲覧のみです。
新聞は国内の新聞の他、アジア圏をはじめとする海外の新聞も読むことができます。
キッズスペース
広々とした児童書コーナー!絵本や童話はもちろん、大型絵本や紙芝居の貸し出しも行っています。
定期的に開催される「おはなし会」は、お子さんに大人気!特に、乳幼児とその保護者向けに行われるあかちゃん向けおはなし会「おはなし ぴよぴよ」は、お母さんの交流の場としても機能しているそうです。
児童書コーナーの奥には、小さいお子さま向けの絵本コーナー「おはなしのへや」があります。自由に絵本を閲覧できるほか、毎週水曜日と日曜日に行われる、小学校低学年までのお子さん向け「おはなし会」の会場として使われています。
靴を脱いで入るカーペット敷きのお部屋です。ハイハイの小さいお子さんが一緒でも安心。隣接スペースには、児童書コーナーのスタッフが常駐しています。
映像・音響資料
映像や音響資料を所蔵するスペースです。こちらももちろん貸し出しOK。2階の貸し出しカウンターで貸出手続きができます。
または、視聴コーナーにあるプレイヤーを借りて、その場で観たり聴いたりすることもできます。
会議室
面積約48平方メートル、定員約20名の会議室です。ユニークな形の円卓が特徴!
ホワイトボードの他に、有料で使用できるプロジェクターやスクリーンなども用意されています。
3階、4階 仙台市民図書館
一般書、新聞・雑誌バックナンバー
仙台市民図書館には、合計約507,000冊の図書と約20,000冊の雑誌が所蔵されています。
本の貸し出しには利用者カードが必要です。登録手続きは図書館の受付カウンターへ。
カードは仙台市内に通勤・通学している方、仙台市および仙台都市圏13市町村にお住まいの方なら誰でも作成OKです。
海外の方向けに、日本語学習用の図書コーナーが設置されていました。日本語を教える立場になった人にも参考になりそうな本も見つかります!
閲覧席、参考資料・郷土資料
3階、4階の閲覧席は全部でなんと111席。申込制の資料閲覧席28席の他は、自由閲覧席となっています。
3階から階段を登った先にあるスペースは、大学図書館のような閲覧席と、郷土資料の書架が並んでいます。県内の各市町村の歴史など、かなりニッチな本が壁一面に開架されており、眺めているだけでも楽しいですよ。
2つのギャラリー
5階 ギャラリー3300
固定壁を中心とする天井高3.3mの展示空間です。
アマチュアでも使いやすく作られたシンプルなギャラリーは、市民活動の代表的な表現空間として機能しています。
6階 ギャラリー4300
可動壁による、展示面積およそ1095平方メートル・天井高4.2mの展示空間です。
幅およそ4mの可動壁を移動させることにより、自由に展示空間をデザインすることが可能。幅広いニーズに対応する、プロフェッショナル向けのギャラリーです。
5階、6階のギャラリーには、足音を吸収する松材の床板が使用されています。
7階 スタジオ
スタジオシアター、ラウンジなど
会議室a、b
ネットワーク設備を備えた、会議室です。会議室aの面積は約48平方メートル、会議室bの面積は約50平方メートル。それぞれ定員は約20名です。部屋の仕切りを解放することで、1室としても利用することができます。
海外の建築ファンも訪れる、建物の魅力
せんだいメディアテーク管理係長の佐藤敏行さんに、施設の特徴を伺いました。
3つの要素で構成される建築的特徴
伊東豊雄氏のラフ案を見せていただきました。
設計当初から、「見える」施設であることにこだわり、できるだけシンプルな要素で設計されていることがわかります。
薄い床「プレート」と、それを支える13本の柱「チューブ」、さらにそれらをガラスで出来た壁「スキン」が覆っています。
チューブ
柱の代わりに用いられた13本の「チューブ」。ラフ案からもわかるように、海にゆらめく海藻がデザインのモチーフになっています。
複数の鉄骨を束ねて編み上げるようにして構成され、内部には、エレベーターや階段といった縦移動の役割のほか、電気、水道や空調などの配管が通っています。
屋上まで続く「チューブ」は、採光機能を担っており、日中は太陽光を各フロアに届けます。
日没後には、夜の闇をエレベーターの光が駆け抜け、まるで宇宙ステーションのような近未来感さえ感じられます。
プレート
せんだいメディアテークには、通常、建物を支える部分となる梁がありません。
一体どのようにして、建物全体を支えているのでしょうか?
5番チューブ内部から、「プレート」の厚さや溶接部分を見てみましょう。
二枚の鉄板を溶接した「プレート」の内部は、ハチの巣状のハニカム構造になっているのだそうです。本来、床下、天井裏には空調設備などが入ることで分厚くなるはずの部分ですが、驚くほどの薄さであることがわかりますね。
スキン
ファサードに用いられるガラスの厚さは1cm。A4サイズでだいたい1.5kgくらいの重さです。
南面は二重構造になっており、それぞれ異なる厚さのガラスが用いられています。
ガラスで構成された外壁は、通称「スキン」と呼ばれています。
南側の二重構造になっているガラス、「ダブルスキン」をよく見てみてください。
「ダブルスキン」の最上部には開閉機構が設計されています。
この2枚のガラスの間が空気の通り道となり、空調設備としても機能しているのです。
暑い夏には、最上部を解放し、温度が上がった空気を逃すことで放熱。
逆に冬は最上部を閉じ、断熱性のある空気の層を作り出すことができます。
ガラスのファサードは、外と内の隔たりを感じさせず、定禅寺通の景色を楽しむのにぴったりです。夏は、涼しい空間でけやき並木の青々とした緑を。冬はSENDAI光のページェントのイルミネーションが間近に見られます。
ページェント期間は、点灯の瞬間を屋内からも見ることができるスポットです。
その他の特徴
3階の市民図書館の照明。シルクハットやUFOにも見えるデザインが可愛いですよね。
照明の当て方にも工夫がされているのにみなさんお気づきでしたか?
ライトを直接下に落とすのではなく、一度天井に当てて柔らかい光で室内を照らしています。
図書館で読書をするもよし、建築の美しさを楽しむもよし。
1階案内カウンターで受付の方に声をかけ、許可を貰えば館内の撮影もOKです!
国内外を問わず多くの建築ファンが足を運ぶほどの建築的な魅力を持つ公共施設。
一度じっくり建築ツアーしてみるのも楽しいです!
いかがでしたか?
知る、発信する、買う、食べる……。使い方は自由自在!
ぜひ、足を運んでみてくださいね。