仙台・宮城へのUターンの実際とは?パラレル×ワーママのWebデザイナーに聞いてみた!
宮城・仙台への引っ越しが決まった皆さんにとって、新しい環境での暮らしに色々不安も多いはず。
「どのエリアに引っ越したらいい?」
「子育て環境は良いの?保育園はすぐ入れる?」
などなど……。
そこで、今春、東京から仙台にUターンをされた菅家郁美さんにお話をお伺いしました!
トレンダーズ株式会社
菅家郁美1985年生まれ、宮城県出身。3歳と5歳の娘を持つ2児の母。東北文化学園専門学校卒業後、仙台市内の印刷会社にデザイナーとして入社。その後上京し、2012年にトレンダーズ株式会社に転職。
現在はデザイナーとして上記企業に在籍しつつ、2019年3月に宮城県にUターンし在宅ワークの形で勤務。その他に個人でのフリーランスとしても活動中。
WEBデザイナー×パラレルワーカー×ワーママ
natsumi:リモートワーカー、パラレルワーカー、お母さん……菅家さんの肩書きがたくさんあって驚きました!
菅家さん:本業は、都内IT企業のインハウスデザイナーです。自社メディアの制作やLP制作、ロゴ、パンフレット、ノベルティ、名刺などを作るのがメインです。私の働いている会社は「複業」がOKなので、フリーランスのお仕事や、デジタルハリウッドSTUDIO仙台での講師業を行っています。
natsumi:複数の業で「複業」なんですね。一般的な「副業」とは、どう違うんですか?
菅家さん:会社としては「副業」なのですが、自分の専門スキルを活かしつつ複数の活動を行っているため、個人的に「複業」という言い方をしています。
natsumi:これまで磨いてきたデザインのスキルを活かし、フリーランスや講師としても活躍されているんですね。
菅家さん:WEBデザインの仕事はパソコン1台あればどこでもできちゃうし、リモートワークで地方にいながら東京の仕事ができるんです。個人的にすごくおすすめの選択肢なのですが、親御さんや学生の間でデザイナーに対する認知度がまだまだ普及していないようで……。こうした選択肢もあることを知ってもらう為にも、講師業は継続していく予定です。
菅家さんが講師を務めるスクール
●デジタルハリウッドSTUDIO 仙台
https://school.dhw.co.jp/school/sendai/
●カリキュラム(コース)ページ
https://school.dhw.co.jp/course/web/curriculum/
natsumi:私も菅家さんのように手に職をつけて、子育てしながらきちんと稼げるようになりたいです……!東京と仙台の子育て事情についても、詳しく聞かせてください!
地元宮城にUターンした理由とは?
natsumi:東京での暮らしはどうでしたか?
菅家さん:都心は保活が特に大変ですね。長女が生まれて、待機児童数の少ない埼玉に引っ越したことをきっかけに、会社と相談し少しずつリモートワークをスタートしました。
子どもが急に発熱し、保育園へお迎えに行かなきゃという時に、東京から埼玉へ帰るのでは遠すぎる。毎朝、足が浮いてしまうほどの満員電車で通勤するのも体力的にしんどくて……。そこで、会社に相談交渉し、出勤日を週2日にして残りは在宅で仕事ができる環境を整えました。子育てや介護の都合でリモートワークを始めた社員も増えてきたので、制度体制もすでに整っており利用しやすかったです。
natsumi:なるほど〜。菅家さんは、東京のIT企業に在籍する完全リモートワーカーとして、宮城にUターンされたばかりですよね。
菅家さん:子育てをするなら、子どもが小学校へ上がる前に仙台へ引っ越そう!と以前から考えてはいたんです。のびのびさせて育てるなら、教育事情などを自分の経験値として理解している地元の方が安心できると思って。
東京では、幼稚園や小学校など、早いうちからお子さんを私立に通わせる親御さんが多いんですが、自分はその争いを避けよう、と(笑)。
natsumi:東京での子育て事情には、保活の先にもまだまだハードルがあるのか……。
菅家さん:仙台の高校入試では、公立の滑り止めとして私立を受験される方が多いですが、東京では私立の方が、入学が難しい傾向のようです。小学校の段階から受験の準備をしたり、色々考えなければいけないことが多いらしいんです。働く環境さえ整っていれば、地元の方が親を頼ることができて自分も楽ですし。東京では、頼れる人がいなくて自分1人で抱えてしまうことが多かったのですが、今は実家も近くなって。いざという時に頼れると思うと、心にゆとりを持てるようになりました。
natsumi:宮城にUターンされる際、エリア選びで気をつけたポイントはありますか?
菅家さん:まずは、子育て環境ですね。仙台市、名取市、多賀城市の待機児童数を全てチェックして、一番入園しやすそうな場所を探しました。
住みやすいエリアとして、長町がよく候補に挙げられますが、保育園の待機児童数が多いそうで……。JR長町駅、太子堂駅、地下鉄南北線長町南駅など、あすと長町の円心上は特に転勤族の方が多く、保育園の倍率も高い印象です。
同じ太白区内でも、鈎取など少し離れたエリアの保育園であれば空きがあるようでした。
●参考リンク
仙台市公式ウェブサイト
保育施設等入所状況一覧(2019年9月17日現在)
http://www.city.sendai.jp/nintechosa/kurashi/kenkotofukushi/kosodate/hoikujo/nyusho/ichiran/index.html
宮城県公式ウェブサイト
子育て支援推進室 待機児童数一覧(2019年7月29日現在)
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kosodate/h28taikijidou.html
菅家さん:始めは、東京本社に出社するときにも便利だろうと思い、長町駅周辺で2LDKくらいのマンションを買おうかとチェックしていたのですが、そもそも、ファミリー向けで希望するような間取りが少ない。やっと見つけた長町駅直結の物件が6,000万円もして驚きました。
natsumi:ろ、6,000万円・・・!
菅家さん:マンションだとさらにランニングコストもかかりますし……。調べてみると、多賀城や名取の仙台近郊エリアなら、土地を買って新築戸建てを建てる方が安いと分かり、土地探しからお願いして多賀城にマイホームを建てちゃいました!マンションを買うより、1,000万円以上安かったですね。
natsumi:土地を選ぶ際に、こだわったポイントはありますか?
菅家さん:近くに公園があるかどうかは気にして探しました。それから、子どもが小学校に上がったあとの通学路を考え、夜道は暗くないか、街灯がきちんとあるかをチェックしましたね。
家族で暮らす拠点に宮城が向いている理由
natsumi:実際にご家族と宮城に引っ越してみて、いかがですか?
菅家さん:小さい子どもがいる家庭の方には、宮城、特に仙台周辺はすごくいい環境だと思います。仙台うみの杜水族館や、アンパンマンミュージアム、錦ケ丘の感性の森など、楽しく遊べる場所が近くにたくさんあるし。水族館は、年パスを買って子どもしょっちゅう遊びに行っています。
他にも荒井の冒険ひろば、加瀬沼公園、宮城県総合運動公園など、子どもがのびのび遊べる公園がたくさんあってありがたいです。一つ懸念をあげるとすると、宮城は車社会なんです。車の運転が苦でなければ、かなり住みやすいところですよ。
natsumi:確かに、車で30分ほどでアスレチックや水族館、動物園に行けちゃうのは便利ですよね。新築のご自宅はいかがですか?
菅家さん:戸建てに引っ越してからは、周囲への騒音を気にせずに子どもを遊ばせられるようになりました。主人の実家も私の実家も東北なので、関東住まいの頃に比べて帰省も楽。以前は車で6時間かけていましたから、かなり負担が減りました。休日には一緒に庭でBBQも出来るし。結構楽しんでいます!
natsumi:他にも、宮城へUターンしたメリットはありますか?
菅家さん:やはり、都内に比べて物価が安いです。特に生鮮食品は、東京に比べると安くて質のいいものが多いので感動します!自転車や自動車があれば大きいスーパーもたくさんあるし、買い物には不便しません。賃料も東京都心に比べるとだいぶ安いと思います。
natsumi:そういえば、お引越し前から仙台の保育園も探されたんですよね。
菅家さん:そうです!お盆休みに有給をくっつけて、まとめて5園くらい子どもと見学に行ったかな。
natsumi:同時に仕事もマイホーム準備も進めながら……?!すごい。菅家さんは、保育園を選ぶ際、どんなところをポイントにしていましたか?
菅家さん:遊具や設備など、綺麗に整備されている園を選ぶと良いと思います。英語に触れられる、水泳ができる、などなど、園によって特色があるので、個人のこだわりに合わせて探す方も多いですね。
それから、オムツ処理をしてくれるところ!個人的に、絶対外したくないポイントです。いま通わせているところは月額300円でオムツ処理をしてくれますが、園によっては、対応してくれない施設もあるので……。
natsumi:は、初めて知った……!事前の情報収集と見学時の現地確認、かなり重要ですね!!
宮城で暮らすメリット・デメリットまとめ
●メリット
・東京近郊に比べて保活しやすい
(ただし、あすと長町周辺は待機児童数が多いので注意)
・私立にこだわらなくても、地域ごとの教育格差が少ない
・物価が安い
・賃料が安い
・子どもがのびのび遊べるスポットが、市内外にたくさんある。
都市部から車で30分くらいで遊びに行ける距離感がちょうどいい●デメリット
・車社会なので、運転慣れする必要がある
・最低賃金が東京に比べて安くなるので、時短勤務するなら都内企業のリモートワークがおすすめ
リモートワークは子育て世代におすすめ!
natsumi:菅家さんのように、リモートワーカーとして活躍し、複業を持ち、お母さん業もこなす方って仙台では珍しい存在だと思います。これからさらに挑戦したいことなどはありますか?
菅家さん:講師業を始めた理由の一つに、仙台にいながら東京の仕事ができるWEBデザインを、より多くの人に認知して欲しいという思いがあります。若年層が都心へ流出せずとも、東京の賃金で働くことができる。女性はライフイベントの影響を仕事に受けやすいですが、デザインのスキルを身につけてどこでも作業できるようになれば、働き方の選択肢は広がるはずです。
11月には現在、在籍しているトレンダーズで新しく「パラナビ」というパラレルキャリア支援メディアを立ち上げます!ぜひ、キャリア選びの参考にしてみてください。
natsumi:菅家さん、Uターンのことや、キャリアのこと、ためになるお話をありがとうございました!