東北初開催、イラストレーター ニシクボサユリさん展示会「This is my life.」
こんにちは!KURASHITO編集部のnatsumiです。
2019年7月6日から7日の2日間、仙台市青葉区本町の複合ビルYellow Bldgでイラストレーター・ニシクボサユリさんの展示会「This is my life.」が開催されました。
梅田蔦屋書店での開催を皮切りに、福岡、名古屋を巡ったこちらの展示会では、原画やプリント作品の展示・販売が行われる他、グッズも多数販売されています。デザイナー、イラストレーターの道を歩み始めてから約4年。過去の作品から、当日描かれる新作まで、彼女の歴史をたどることのできる展示会です。
ニシクボサユリさんは、Instagramから人気に火がついた今注目のデザイナー。音楽のように、見る人の心を動かすイラストは、各分野で取り上げられ、雑誌や広告、大企業とのコラボ企画など幅広くご活躍されています。
今回は、東北初開催となる本展へ伺ってきました!
|ニシクボさんの軌跡をたどり、「いま、ここ」を楽しむ。
今回の展示のタイトルである「This is my life.」この言葉が表すように、会場にはこれまで制作された作品の原画やプリントがずらり。
イラストの製作を始めて約4年、彼女のこれまでを振り返りながら、ライブペイントやその場の出会い、おしゃべりで「いま、ここ」を目一杯楽しめる展示です。
|PHOTO OK, DRINK OK. リラックスして楽しめる展示
今回の展示には、ニシクボさんがオリジナルステッカーを手がけたアパレルブランド10YCさんと、メルボルン帰りの野口こうたさんも参加。
お子様連れのご家族や、カップル、学生さんなど、若い世代を中心に来場者が集まり、
展示会場やカフェスペースで思い思いの時間を過ごされていました。
当日は、仙台市内だけではなく、東北各地から沢山の方がニシクボさんに会いにいらっしゃいます。その一人ひとりと、ゆっくりおしゃべりを楽しむニシクボさん。時には、購入したポストカードに手書きでサインを入れてくれました。
|見た人が共感できるデザインを。くらしに取り入れたくなるアート
「イラストの仕事を始めたばかりの頃に比べて、少しずつ、絵を買うことが浸透してきたのかな、と思います」というニシクボさんの言葉通り、オーダーした作品を受け取りに来た方や、展示中の作品を購入される方が多数。手に取りやすいポストカード、ステッカーなども男女問わず人気があります。
ポップなキャラクターから、ファッション雑誌の表紙や映画のワンシーンをオマージュしたイラストなど、幅広いジャンルで作品を製作されています。あえて作風を定めないスタイルが、ニシクボさんの魅力の1つです。
「共感みたいなものじゃないですか。『良いなあ』と思えたり、なんか惹かれるっていうことは。独りよがりではいけないと言うか、自分の作風を前面に押し出すよりも、それを受け取る人の心の動きを意識しなきゃいけないんだろうと思います。私がよいと思うクリエィティブは、見る人や聴く人の心や生き方に響くものを提供することだと思っています。」
尊敬する写真家・奥山由之さんや、シンガーソングライターの椎名林檎さんの作品作りに対する考え方に刺激を受け、現在の作風があると語るニシクボさん。街に作品が並ぶ時、それが人にどんな影響を与えるのか。ニシクボさんの視点は、手に取る人の思いに寄り添っています。
|会場、全国をつないだライブペイント
2日目に行われたライブペイントでは、会場からインスタライブで中継を結び、ニシクボさん、来場者、インスタグラムのフォロワーがネットを通じて繋がる賑やかなイベントとなりました。
「牛タンのお店、おすすめありますか?」
「ずんだシェイクってみんな普段飲むんですか?」
など、ご当地あるあるも交えながら、参加者全員が和気あいあいと楽しめるライブペイント。
ニシクボさんは、インスタグラムで月に一回「ナンカツクリマス」というラジオを配信されています。ニシクボさんの笑い声や笑顔って、いつでも明るいパワーを貰えるんです。
「作風が定まっていなくて、色々描いちゃうのに、好きでいてくれるみんな、ありがとうって感じです。いい作品を生み出すのはもちろんですが、私の行動自体を楽しんでもらえるようなエンターテイメントでありたい、それぐらいの方が面白いかな、って。この人ふざけてるのにいいもの作るなって思われるようになりたいですね。」
キャンバス作品は、画家・藤田嗣治の技法をヒントに制作されているのだそう。
「昨年、上野で開催されていた彼の展示を観た時に、どうしてこんなに線が細いんだろう、と気になって。調べると、日本画で用いられていた細い面相筆と、墨で絵を描いていたそうなんですよ。彼の白い下地へのこだわりは有名で、自分のモノクロの作品にも通ずるものを感じて。そこにヒントを得てから、試行錯誤してここ最近やっと現在のキャンバススタイルにつながった感じです。」
|ニシクボさんのフィルターを通したタイポグラフィーに、心が動く
ニシクボさんがデザインの道を志すきっかけになったのは、YAECAやTHREE、PASS THE BATONなどのデザインを手がける平林奈緒美さんの存在でした。もともとファッションが好きだったニシクボさん。街で見つけた「良いな」と思ったもののデザイナーをたどると、全て平林さんの作品だったのだそう。
「もともと、タイポグラフィーが好きなんです。海外に比べると、日本ってまだあまりタイポグラフィーが浸透していませんよね。特に普段身に着けるようなプロダクトのデザインをする際は、自身でやっているOTTEというブランドでもそうなのですが、シンプルで本当に使えるものを作りたいと思っています。なので、イラストでなくタイポグラフィだけでいいだろうという場合は、それを推しています(笑)。ちょっとずつ、広めていきたいですね。」
展示初日、ニシクボさんがおもむろにキャンバスと画材を取り出し、ペイントを始めました。「This is your life.」の一節で始まる、 Holstee 社のマニフェストから、印象的な一文を抜き出し、タイポグラフィーにしています。
“人生とは、あなたが出会う人々であり、
その人たちとあなたが作るもの。
だから、待っていないで作りはじめなさい。
人生は短い。
情熱を身にまとい、自分の夢を生きよう。”
(公式日本語訳より 一部抜粋)
今回の展示会で、全国各地を巡回されているニシクボさん。実際にファンの方と交流できる機会を、彼女自身、喜び、楽しまれている姿が印象的でした。
会場に訪れる方は仙台市内だけでなく、東北各地から足を運ばれた方も。ターニングポイントで絵を購入された方、昔から大ファンで、事前オーダーしたB2サイズの大きな絵を持ち帰った方。展示会でどうしようもなく惹かれる作品に出会い、お持ち帰りされる方(私です)。
皆さん嬉しそうに作品を手に提げ、「ありがとうございました〜!」と、ニシクボさんと手を振り合い帰っていきます。
「This is my life. 」
――この会場に並んだ作品が、その作品とニシクボさんの人柄に心動かされ、ここに集う人々が、ニシクボさんの創作人生そのものと言えるのかもしれません。
ニシクボサユリ designer/illusrator
1988年 三重県立熊野市誕生
2010年 三重県立看護大学卒業
2015年 東京デザインプレックス研究所 空間デザインコース終了
2015年 Instagramへイラストの投稿を開始
現在、独自のスタイルでグラフィックデザインやイラスト制作を行う。WEB:http://www.sayurinishikubo.com/
Instagram:https://www.instagram.com/sayurinishikubo/
Twitter:https://twitter.com/sayurinishikubo
SAYURINISHIKUBO EXHIBITION 2019
「This is my life.」in SENDAI
日程:2019年7月6日(土)、7日(日)
時間:7月6日(土) 13:00〜19:30
7月7日(日) 11:00〜18:00
ライブペイント 13:00〜
場所:studio/space HC
〒980-0014 仙台市青葉区本町1-13-16 Yellow Bldg 2F,3F
撮影:はま田 あつ美