季節のお菓子に心がおどる「和菓子 まめいち」に行ってきました!
暖かい日が続いた4月、いつもより過ごしやすいお花見の機会が多かったのではないでしょうか?
夜桜を楽しんだ帰り道に、沈丁花や白木蓮の甘い香りがして私は一番好きな季節です〜!
さて、今回は2023年5月に本町から定禅寺通りへ移転した「和菓子 まめいち」を訪れました。店主さんの多角的なインスピレーションから生まれるお菓子は、季節ごとに何度でも訪れて食べたくなるものばかり!
さっそくお店の様子をご紹介いたします〜!
アクセス
仙台市地下鉄南北線 勾当台公園駅から徒歩7分。「せんだいメディアテーク」の隣にあるビルの2階にお店があります。
外壁のくすみカラーがモダンな雰囲気。
コロンと滑らかな看板がお出迎えです。
定禅寺通を眺めて過ごす店内
喫茶スペースは定禅寺通を眺められる窓際に設置されています。
1〜2名用の席がメインで、静かにゆっくり過ごしたい方にオススメ。
窓の外には定禅寺通とグリーンベルトが。
新緑が芽吹くこれからの季節は、爽やかな気持ちで過ごせそうですよ〜〜!
内観は白壁にモルタル調のカウンターが目を惹きます。「和」に偏りすぎず、明るく洗練された空間です。
ショーケースには月替わりの上生菓子が並びます。
見た目が華やかな上生菓子は、毎月テーマと素材を変えて楽しませてくれますよ〜!
4月は、仙台市博物館の再開を祝した4種類と、桜餅でした!
喫茶では、毎月変わる上生菓子の他に、奇数月に変わる限定メニューがあります。
4月の「ひと月の和菓子」は、仙台市博物館の再開を祝して作られたもの。
(写真左上)春爛漫
(写真右上)伊達なもてなし
(写真右下)瑞の宙 zui-no-sora
(写真左下)仙遊観の眺
今回は「仙遊観の眺」と、寒天パフェ「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)と磐長姫(いわながひめ)」をイートインでいただきました!
食べる人への思いやりがキラリ!
月替わりの和菓子とお抹茶のセットは、手軽に楽しみたい時にぴったり!
お菓子を複数追加することもできるので、贅沢に2つ……という日を設けても良いですね〜!
「仙遊観の眺」は、鳳凰の背に乗って夢の中を飛んで行くと見えてくる龍に守られた都・仙遊観をイメージして作られています。
鮮やかな色彩に、昇り龍を思わせる黄金のアクセントが目を惹く和菓子でした!
この季節、少しだけ体の調子を崩しやすい人が多いですよね。
美味しく、手軽に鉄分を摂れるプルーンが入っているそうです。
こなし餡の上品な甘さの中から、キュンとほのかにプルーンの酸味が顔を覗かせる絶妙な味わい。
普段なら想像もしない組み合わせの食材が、口の中で調和していく不思議な感覚。
「和菓子ってただ甘いだけじゃないんだ!」ときっと目を見開いてしまうことでしょう!
お抹茶もたっぷり入っていますよ〜!
苦味もあって後味スッキリ。
富士山のお白湯は体を内側から労わる、おもてなし。
お抹茶はカフェイン濃度も高いので、やわらかな口当たりのお白湯をいただけるのはうれしいです!
フォトジェニックで、創造的なパフェも必食!
仙台の飲食店でも増えてきているグラススイーツ。
その中でも、フォトジェニックすぎる見た目にカメラを構えたくなること間違いなし!
山菜の「ウルイ」が芽吹いているパフェは、古事記を題材にしたものだそう。
木花咲耶姫の華やかに繁栄しているもろさを「揚げ春雨」、磐長姫の永遠に繁栄する岩の様に頑丈な様子を「カルメ焼き」で表現し、パフェグラスの中に姉妹女神を宿したそう。
本町の「Pâtisseries Glaces Kisetsu(パティスリーグラス キセツ)」の桜ジェラートをメインに、桜の花のフルフル寒天や甘酒ヨーグルトムースが入っている春らしい一皿。
桜の香りと、ほんのり塩味を感じるパフェ上部は優しい甘さ。
下部へ進むに連れて、とろ〜りつぶあん、コリコリ寒天が食感のアクセントに!
最下層にある黒蜜グレープフルーツは、黒蜜の深みある甘さの中から甘酸っぱいグレープフルーツが弾けて、複雑に変化していく食味が新感覚〜〜!
ちょっと口をスッキリさせたいなと思ったらウルイをひとかじり。
シャキシャキ食感と爽やかな山菜の香りが癖になっちゃいました!
日持ちする焼菓子は、お土産にもぴったり!
お持ち帰り用の焼菓子類は、パウンドケーキやラスク、ガトーショコラに和菓子の食材を組み合わせた折衷メニュー。
日持ちもするので、私もよくお土産に選んでいますが、「また買ってきて欲しい!」とリクエストが多いオススメ商品ですよ〜〜!
店主・幾世橋さんへインタビュー
以前にも、KURASHITOコラム「くらしとおやつ」でもお話を伺った店主の幾世橋 陽子さん。
前回のお菓子作りや起業までの経緯とは視点を変えて、今回は移転に至る経緯や新店舗での新たな取り組みについて伺いました。
ー 以前KURASHITOのコラム内で「目指すは、和菓子 まめいち2号店! まだ何も準備はしていませんが、言っていれば実現すると思っています。」と記録されていました。本町を製造部として残し、移転を決意されるまでの経緯を伺えますでしょうか?
一番はコロナウイルスによる営業形態の変化でしょうか。
喫茶スペースのご案内ができなくなって、通販などの発送に比重が傾いてきました。
もともと小さな店舗だったので、梱包作業を喫茶スペースでするようになり、どんどん、どんどん山のように箱が積み重なって……。
そんな時に、内装を手がけてくれている「さくま建築設計事務所」の佐久間さんがお店にいらして「まめいちにくる人たちはみんな、綺麗な店内を楽しみにしているはずだよ」と苦言を呈してくれたんです。
すぐにお客様から作業場が見えないように壁を新設しました。
でも、次はコロナが落ち着いてきた時に「お客様をご案内できなくなってしまったなぁ」という事態に。
さらに、「フルフル寒天」というテイクアウト商品を作っているときに「蓋をするからココ止まりなのでは!?」と思い始めたんです。「蓋がなければ、もっと好きな表現ができるかも!?」「もっと楽しく表現したい!!」と、生み出すパワーが溢れ出てしまった感じでしょうか(笑)。
お客様との会話からインスピレーションを受けたり、エネルギーをもらっている私は、このまま喫茶なしで営業はいやだ! と本気で移転先を探し始めました。
ー 以前の店舗はひっそりと隠れ家のような店舗で”仙台の玄人感”を楽しめるような場所でしたが、新たな店舗は定禅寺通り沿いの素敵な場所ですね。決め手はありましたか?
ずっと路面店で探していたんです。
製造部と、販売と、喫茶スペースが出来ることを条件にしていましたが、広さの部分で納得ができないことばかりでした。
この物件は「2階へも視野を広げてみよう」とした時に巡り合いました。
「メディアテークの隣が空いているよ」と聞いて、メディアテークが大好きな私はビビビッときたんです(笑)。
ここなら、また皆さんと会話を楽しみながら営業ができるな! と直感的に思いました。
ー イートインスペースが増え、限定メニューも増えたことで今まで以上に毎月楽しみに足を運ぶお客様も増えたのではないでしょうか?
そうですね〜!
本町のお店は圧倒的に女性のお客様が多かったですが、今は男性のお客様も「毎月楽しみにしています」と足を運んでくださいます。うれしいですねぇ〜!
ー お菓子について伺います。今回の寒天パフェは、「ウルイ」がとても印象的なパフェでした!
インスピレーションはどこから湧いてくることが多いですか?
いろんなところからです!
今回はkisetsuさんの桜のジェラートを使うぞ! ということは決まっていて、春は「木花咲耶姫」を題材にお菓子を作ることが多いから、その姉の「磐長姫」も出したいなと思ったんです。
木花咲耶姫は華やかに繁栄しますが、もろく散っていきます。
磐長姫と一緒にすることで「永遠の繁栄」が約束されるというお話なので、二人の女神を一緒に提供したいと。
木花咲耶姫の生命力のようなものを、「海藻サラダ」に入っているシーグラスを使いたいなと大手通販サイトで取り寄せてみました。
これが、待てど暮らせど届かない!(笑)
きっと”まだ”使う時じゃないんだなぁと思いながらスーパーに向かい、春雨を見つけてひらめきました!
さて、次は磐長姫。
こちらは「岩の様な顔をして醜い」と言われてしまうのですが、なにで作ろうか……と思案していた時に、お店に来た少年がなんだか甘い匂いをまとっていて……。
「(なんだったかな、この匂い……。)」と辿り着いたのがカルメ焼きでした!!
きっと家にカルメ焼きの道具が残っているはず、あったらお告げに違いない!! と帰宅後探して見つけ出したんですよ〜!
もし、あそこで道具が見つかっていなかったら、カルメ焼きではない別のものになっていました(笑)。
ウルイを使ったのは、体を冬眠から目覚めさせるために「目覚め」「山菜の酵素」「芽吹き」などを連想したからですね。
それから、ウルイはグレープフルーツと相性がいいと思っていて、その2つは桜のアイスと相性がいいはず……。それを包み込んでくれるのはなんだろう〜? 黒蜜が包み込んでくれるかな〜と完成していきます。
ー それぞれ食べても、混ぜて食べても魅力的。まさにパーフェクト! なパフェでした。
次のメニューも今から楽しみです! 次回のメニューは、もう決まっているんでしょうか?
ふふふ(笑)。
ぼんやり、何を使おうかな〜というのは決まっていますよ〜!
5月は毎年「不老長寿あんみつ」も提供しているので、「わらび餅」や「柏餅」も出てくる季節ですね。楽しみにしていてください〜!
ー 新メニューも今から楽しみです。本日はありがとうございました!
一つひとつに幾世橋さんのエネルギーや優しさがお裾分けされているような、元気の出るお菓子。
ぜひ一度お店で味わってみてくださいね!
店舗情報
和菓子 まめいち
住所 〒980-0821 仙台市青葉区春日町1-5 SKビル定禅寺通2階
電話 022-302-4720
営業時間
月・火・土・日 10:00〜17:00
水・金 10:00〜19:00
定休日 木曜日
公式WEBサイト/公式Instagram